中国の縁結びの神【月老】

· 中国語の基本知識

 月老(げつろう/yuè lǎo)は、中国において縁結びを司る神として広く信仰されています。日本では「赤い糸」の伝説がよく知られていますが、その元となったのが月老の信仰です。月老は、人々の運命の相手を決め、赤い糸で結ぶ役割を持つとされています。

月老とは?

 月老は、白髪の老人の姿で描かれることが多く、「婚姻の神」として古くから信仰されています。伝説によれば、彼は陰間の帳簿に人々の婚姻を記録し、それに従って赤い糸で結ぶとされます。つまり、月老の帳簿に記された相手こそが、運命の伴侶という考え方です。

伝説:月老の予言

 ある青年が、未来の結婚相手を知るために月老に尋ねました。すると、月老は「お前の結婚相手は今幼い少女だが、将来必ず結ばれる」と予言。しかし青年はその言葉を信じず、少女に害を加えようとします。しかし年月が経ち、青年はある女性と結婚します。その女性こそ、かつての少女であり、額には傷跡がありました。青年はこの運命に驚き、月老の力を信じるようになったといいます。

月老へのお願い方法

 中国各地には「月老廟(げつろうびょう)」があり、恋愛成就を願う多くの人々が訪れます。特に有名なのは、台湾の龍山寺や香港の文武廟です。月老に願いを伝える際には、以下のような方法があります。

1. 赤い糸を供える

- 月老像の前に赤い糸を捧げることで、良縁を願う。

2. 名前や理想の相手の条件を伝える

- 「◯◯のような人と縁を結びたい」と具体的に祈願する。

3. おみくじを引く

- 月老廟では縁結びのおみくじがあり、今後の恋愛運を占うことができる。

-赤い糸を手首に結ぶことで、縁が引き寄せられると信じられています。

 月老は、運命の糸を結ぶ神として中国では広く信仰されています。恋愛成就を願うなら、一度月老廟を訪れ、その力に頼ってみるのも良いかもしれません。伝説や信仰の背景を知ることで、中国の文化や価値観にも触れることができるでしょう。